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研究室紹介

山下真研究室

□ 研究分野 : 数理最適化(特に連続最適化,非線形最適化)

研究分野 -数理最適化-

山下研では、「制約条件を満たす候補の中から、最善なものを見つけ出す数学的手法」である数理最適化を研究対象としています。山下研のコンセプトは
ベストを追求する数学・社会に尽くす数学
ということができます。
数理最適化の例として、ミックスジュースを作ることを考えてみましょう。
vegetable
たくさんの野菜をあわせて500mlの野菜ジュースを作るのであれば、「すべての野菜を合わせて500ml 以下」という制約条件を満たす野菜の組み合わせの中で、「ビタミンAとビタミンCの合計を最も大きくしたい」などのジュースを作ることになります。
このように数理最適化は社会の各方面に活用場面を持っており、山下研では、その中の一つとして樹木園構成計算なども行っています。
orchard
ここでは、たくさんの木の種類をどのような割合で組み合わせて構成するか、ということが計算対象となり、利益率の高い木を多く含めながらも、遺伝的多様性を配慮する必要があります。この遺伝的多様性を維持する式は行列の固有値に関する不等式によって表現できます。この定式化を用いて、 半正定値計画問題とよばれる数理最適化問題などにより樹木園構成問題を計算する手法なども研究しています。
半正定値計画問題の一般形 $$ \begin{array}{rcl} \min & : & A_0 \bullet X \\ \mbox{subject to} & : & A_k \bullet X = b_k (k=1,\ldots,m) \\ & & X \succeq O \end{array} $$

数理最適化問題の一般形

数理最適化問題の一般形は、目的関数 $$ f: R^n \to R $$ と 実行可能集合 $$ S \subset R^n $$ に対して、
数理最適化問題の一般形 $$\min \ f(x) \ : \ \mbox{subject to} \ x \in S.$$
と表現されます。

□数理最適化の面白さ

circle
数理最適化分野は、社会の問題から発生する最適化問題に取り組む分野でもあり、左図にある3本の柱を持っています。数理最適化は、
「数学もコンピュータも楽しめる一粒で2度美味しい研究」
なのです。その研究の方向性は、
「より大きな問題を、より高速に、より正確に解く」
というところにあります。

□最近の学生の研究テーマ

  • (理論寄り)非線形半正定値計画問題に対する信頼領域法
  • (応用寄り)センサーネットワーク問題に対する短時間計算
  • (応用寄り)強度変調放射線治療における効率的な照射計算
などなどあります。
protein
センサーネットワーク計算に基づくたんぱく質計算のイメージ

山下研究室を志望する学生へ

+研究室を選ぶときは、短所を避ける消去法よりも、自分の長所を伸ばすところで選んでください
+山下研は、数学もソフトウェア実装も楽しめる、そんな人に合っています
+週3〜4個のゼミでは、線形代数や凸解析などの基礎知識をベースとして、数理最適化の本を輪読したり、新しい論文について調べたことを発表したり、進めています
+卒業論文、修士論文では、新しい最適化計算手法の性能確認のために、ソフトウェアを実装することがよくあり、プログラミング言語としては、MATLAB, C++, 最近では Python などを学生がよく選んでいます

♪数理最適化を一緒に楽しく研究していきましょう♪